マイカーに替わって、日常生活の中でいつでも便利に自動車を活用できる、カーシェアリングはお使いでしょうか?
カーシェア業界のパイオニアが、オリックスカーシェアです。
目次
東京都内で数多くのステーションがあるオリックスカーシェアとは?
オリックスカーシェアは、オリックスグループの「オリックス自動車」が運営しています。同社の運営するカーリース、レンタカーと並ぶ柱となっています。
レンタカーとは違う、自動車を共有して使う仕組み、カーシェアリングの老舗ブランドです。カーシェアはどの会社もそうですが、使うためには会員になる必要があります。
なおこの記事では、NTTドコモのサービス「dカーシェア」についても触れることとします。
オリックスカーシェアの使い方
オリックスカーシェアの会員の、車を使うまでの流れは次のとおりです。
- Web(スマホアプリも利用可)から予約を入れます。
- ステーションに出向きます。乗る車の前部スタンドサインを移動します。
- 車のICカードリーダーに、ICカードをタッチします。ハザードランプが点滅します。
- もう一度ICカードをタッチすると、車のロックが解除されます。
- 助手席のグローブボックスにキーが入っています。キーを「貸出し」に廻して取り出します。
- 乗車前点検をします。もし傷、凹み、パンクなどあればすぐ連絡します。
- エンジンを掛けて出発します。
- 駐車スペース中央にスタンドサインを置きます。
返却時は逆の手順となります。駐車をしてエンジンを切り、キーをグローブボックス内に格納します。車にICカードをタッチしますと、ロックが掛かります。
スタンドサインを元に戻して終了です。
基本的な使い方はタイムズやカレコなどと同じです。
オリックスカーシェアの料金体系は東京住まいの方にぴったり
オリックスカーシェアの利用料金はどうなっているでしょうか。最大の特色は、長距離料金の安さにあります。
また、月額基本料金の掛からないプランがあるのも特筆すべきものです。
毎月使う人はAプラン
オリックスカーシェアの個人プランには、料金体系が二種類、AプランとBプランとがあります。会員はどちらかのプランを選んで登録します。
Aプランは利用料金が安いかわりに、月額基本料金980円が必ず発生します。この980円は、利用料金に充当されますので、毎月必ず乗る人はこちらを選んだ方がお得です。
Bプランなら月会費無料
Bプランはオリックスならではの、月額基本料金がゼロのプランです。たまにしか乗らない人や、他のカーシェア会員で、保険の意味でオリックス会員にもなっておきたい人にとっては、こちらのほうがいいでしょう。
ただし、利用の際の料金は、Aプランの場合の1.5倍となります(夜間プランのみ、AB同額)。
プランの変更は毎月可能
プランの変更は毎月できますので、日ごろ乗らない人も、プラン変更を上手に使う方法があります。
間違いなく一か月の期間内に使うことが決まっていれば、前月末日までにBプランからAプランに変更し、使い終わったあとでまたBプランに戻すと安く済みます。
安いAプランの利用料金の適用を受けながら、毎月の月額基本料金を無料にすることができます。
学生なら基本利用料が5年間無料
学生であれば、本来毎月980円かかるAプランも基本利用料が無料で利用できるメリットがあります。
友達と一緒に買い物をしたり、旅行に行くときに最適です。
レンタカーを借りるよりも手軽ですし、学生プランであれば比較的安く利用できるのでおすすめです。
長時間プランはオリックスカーシェアが格安
他社と比べた際のオリックスの強みが、長時間プランです。
以下は、スタンダードクラスの車の、Aプランの料金です。これに加え、必ず距離料金(1kmにつき15円)が発生します。
- 15分 200円
- 6時間パック 3,500円
- 12時間パック 4,500円
- 24時間パック 6,000円
- 夜間パック 2,500円
夜間パックは、20時~翌朝9時の間で、連続3時間以上利用する場合に利用できます。このプランは、他の長時間パックとは併用はできません。
業界一をアピールするだけあり、長時間パックは大変安くなっています。
長時間の料金を、業界トップのタイムズカープラスと比較してみます。
(タイムズカープラス)
- 6時間パック 4,020円(距離料金不要)
- 12時間パック 6,690円(距離料金1km16円が発生)
- 24時間パック 8,230円(距離料金1km16円が発生)
6時間パックの場合、移動距離によっては、距離料金の発生しないタイムズが安くなります。ですが、12時間以上の場合は、オリックスがかなり安くなります。
予約の15分前から使える場合が多い
オリックスの場合、おおむね予約時間の15分前から利用が可能です。早くスタートしても料金は取られませんし、予約終了時刻も変わりません。
ただ、車が帰ってきていない場合もありますので、必ず利用可能ではありません。返却時間を10分過ぎるまでは届出不要だというルールがあるためです。
前の車の予約が近接していなければ、15分前にステーションに出向いてもだいたい大丈夫でしょう。
給油をすると割引(時間プランのみ)
オリックスカーシェアのルールとして、ガソリンが3分の1を割ったら給油が義務付けられています。
給油は社内に据え付けられたカードを提示すれば無料でできます。レンタカーと違い、燃料代込みというのがカーシェアの特長です。
「出光」「SOLATO」「キグナス」が不可ですが、ENEOSをはじめ、大手ではほぼ給油可能です。
時間プラン利用の場合のみ、料金15分の無料サービスが受けられますが、そのサービスを受けるためには給油割引申請が必要です。申請は、カーナビからおこないます。
東京都内で乗りやすい小型車がオリックスカーシェアは豊富
オリックスカーシェアのスタンダードクラスの車種は、例として次のものです。
- アクア
- フィットハイブリッド
- フィット
- ノート
- プリウス
- デミオ
- スプラッシュ
- ヴィッツ
- マーチ
- スイフト
- カローラアクシオ
- フリード
さらにステーションによっては、電気自動車のリーフ(時間料金のみ)や、デラックスクラスとしてSUV(エクストレイル)、ワゴン(セレナハイブリッド等)も配置されています。
都内の道路は狭い道が多いので小回りの利く小型車が多いのもオリックスカーシェアの特徴です。
東京の他のカーシェアに比べ入会まで時間がかかる
オリックスカーシェアへの入会方法は三種類あります。
- Web
- 郵送
- 説明会に参加
入会後、カーシェアが利用できるまでのスピードは他社に比べてかなり遅く、Web、説明会参加の場合で1週間、郵送で2週間要します。
他社は、ICカードの即時発行や、交通系電子マネー、おサイフケータイなどの活用で、すぐ乗れるようにしています。
Webで申し込む場合は、運転免許証の写真を撮ってアップロードします。あとは料金支払いのためのクレジットカードがあれば、すぐ入会できます。
申込後1週間でICカードが送られてきます。説明会に参加して申込みますと、次の特典があります。
- ICカード発行手数料(1,000円)無料
- 月額基本料 2か月分無料
- 時間料金 2,000円が2か月間無料
上記の特典は時期によって内容が変わるのでご注意ください。またWebからの申し込みでも同じような特典があります。
東京にお住まいであまり使わない方にはオリックスのdカーシェアもおすすめ
dカーシェアは、NTTドコモが運営するカーシェアサービスですが、新たなカーシェア会社ではありません。
これは、「カーシェア」「レンタカー」「マイカーシェア」を統合したサービスで、カーシェアについてはオリックスカーシェアを利用します。
なお、レンタカーについては、国内の多くのレンタカー会社と提携していますが、料金の優遇はありません。
他人の車を一時利用する、まったく新しい「マイカーシェア」のサービスを別にしますと、dカーシェアは、オリックスカーシェアを便利に使うサービスだといえます。料金体系はオリックスカーシェア会員と異なります。
dカーシェアのメリットは?
オリックスカーシェアの料金体系には、AプランとBプランとがあることはご説明しました。
Bプランは月額基本料が不要のため、あまり使わない人にメリットがあります。ただし使う月の利用料金は、夜間パックを除いてAプランの1.5倍となります。
この点dカーシェアは、月額基本料無料でありながら、オリックスのBプランより利用料金が安くなっています。
つまり、あまり乗らず、また乗るタイミングも図れないので臨時のAプラン変更もしづらい人にとっては、オリックスカーシェアより安く使えます。
使う頻度の少ない人は、dカーシェアも検討してみたらいかがでしょうか。
スタンダードクラス利用の際の、dカーシェアの料金体系です。
時間 | dカーシェアの料金 | オリックスカーシェアの料金 |
---|---|---|
15分 | 220円 | 300円 |
6時間パック | 4,200円 | 5,250円 |
12時間パック | 6,500円 | 6,750円 |
24時間パック | 8,000円 | 9,000円 |
夜間パック | 2,500円 | 2,500円 |
距離料金 1km15円 (1km15円)
※ 距離料金は、オリックスと異なり6時間パック以下の場合無料
dカーシェアは補償充実
dカーシェアの料金は、オリックスカーシェアを直接利用したときのAプランよりは高くなります。ですがdカーシェアには、Aプランと比べた際にもメリットがあります。それが独自の補償です。
次の事項について補償がされます。
- 事故におけるNOC(ノンオペレーションチャージ)免除
- タイヤパンク
- 鍵のインロック
- 利用中のバッテリー上がりに伴う現地ジャンピング費用
- 事故等のレッカー対応
- ガス欠での現地給油
- 事故・故障時の代車費用
ロードサービスの補償はオリックスにも備わっていますが、事故を起こした際のノンオペレーションチャージ無料については、dカーシェア独自で、価値の高いものです。
オリックスカーシェアで事故を起こすと、自動車が営業に使えないことについて、最低2万円、自走不可の場合は5万円徴収されてしまいます。
これが無料になることを考えますと、dカーシェアにはAプランにも負けない価値があります。
dカーシェアでdポイントが貯まる
dポイントは、汎用ポイント業界ですっかり大きな存在となりました。NTTドコモユーザー以外でも、dポイントはさまざまな利用で貯まります。
dカーシェアを利用しますと、利用代金100円(税抜)ごとに1ポイント(1円相当)のdポイントが貯まります。
オリックスカーシェアを使っても、ステージアップ以外のポイントは貯まりません。
東京に配置されているオリックスカーシェアの設備状況について
オリックスカーシェアの、冬用タイヤや、カーナビ等の設備を見てみます。
スタッドレスタイヤ対応は?
冬場の利用の場合、履いているカーシェアのタイヤが気になる人もいるでしょう。オリックスのように、基本的に都市部でのみ展開しているカーシェアの場合、冬季にタイヤを履き替えることはありません。
凍結した路面を、ノーマルタイヤで走ることも推奨されません。ですが、一部の車に限りスタッドレスタイヤを冬季に装着します。予約の際に、スタッドレスタイヤ装着の車は確認できます。
2017年は、次の台数に限りスタッドレスタイヤを装着しました。
- 東京 7台
- 愛知 12台
- 岐阜 3台
- 京都 1台
- 大阪 2台
全体のごくわずかではありますが、これらの車なら、寒冷地域に向けて出発する場合でも安心です。
車内設備は?
オリックスカーシェアでは、ジュニアシートが標準仕様です。
チャイルドシートについては装備されていませんので、自分で購入するか、レンタカーを使うしかありません。
カーナビについては、一時期かなり古いものになってしまい他社に見劣りがしていましたが、車の更新が進み、多くは最新のものに変わりました。
ETC車載器は全車装備済みです。ETCカードは自分で用意しましょう。
オリックスカーシェアを東京で利用する際のデメリット
便利なオリックスカーシェアですが、デメリットもあります。
なおデメリットのうち一部については、「dカーシェア」の利用により解消できます。
東京ではステーションは少なめ
オリックスは老舗なのですが、グループでコインパーキングを運営しているタイムズやカレコといった他社と比べますと、ステーションの拡大については若干分が悪いようです。
全体のステーションや車の数で現在では2位ですが、カレコが急追していますので、いずれ3位に落ちるかもしれません。
とはいえ、集中するところには集中していますし、そういった箇所では予約が取りやすくなっています。
距離料金が常に掛かる
オリックスカーシェアの場合、プランに関係なく距離料金(1km15円)が発生します。
短い時間の利用でも距離料金が発生するのは、大手三社ではオリックスだけです。
早く返しても料金は予約どおり
特に短い時間プランの場合に問題となります。4時間の予約をして、2時間で帰ってきてしまったとしても、料金は4時間分取られます。
帰りの時間がはっきりしないときはこのように、損を承知で長めの予約を入れなければならないことがあります。ドライブ中でも延長は可能ですが、次の予約が入っているとそれもできません。
大手の他社二社(タイムズ、カレコ)では、予約時間にかかわらず、使った分の料金しか取られません。この点、短い時間利用の場合はオリックスのデメリットとなります。
予約した時間の料金を取られるのは、オリックスの場合長い時間のパックでも同様です。
ですが、12時間パック(4,500円)を予約して6時間で帰ってきてしまっても、6時間パック料金は3,500円ですので、それほど損をした感はないでしょう。
キャンセルは1時間前まで
デメリットというより、大手他社二社が、直前までキャンセル自由、予約変更自由というルールにしているために、比較するとどうしても見劣りがしてしまうということです。
オリックスの場合、予約時間の1時間前まででないと、キャンセルしても、予約の時間料金の50%をキャンセル料として取られます。
また、予約時間から75分を過ぎると、強制キャンセルされ、キャンセル料金も発生します。
キャンセルのルールは、事情を問わず適用されます。唯一免除されるのは、沖縄のステーションの予約を、航空機遅延でキャンセルするときだけで、非常に厳しくなっています。
東京でオリックスカーシェアを利用するなら頻度によってプランを選ぶ
オリックスカーシェアについて見てきました。
A会員と、月額基本料金無料のB会員の制度がありますので、うまく使いわけることをお勧めします。
そして、NTTドコモのdカーシェアに加入してオリックスカーシェアを使うのも、補償と月額基本料を考えますといい方法です。
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